no title

ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』(2016)を観た。ベルギー出身の世界的ファッションデザイナーのドキュメンタリーだ。

 

この人の洋服はまともに見たこともない。

このデザイナーへの興味というより、なんというか、対象に対して敬意ある態度というか、厳かな距離感のある作品を消費したいという気持ちがあった。

 

具体的な作品を挙げる。

繕い裁つ人』がとてもよかったので、その流れで『ランウェイで笑って』『ビンテイジ』『服副人々』といくつか服飾系の漫画を読んだ。なお『王様の仕立て屋』は大昔に読んでいる。

どれも楽しめた一方で、作品そのもののキャラクターへの距離感が近くて、共感と理解までの過程があまりにも短いために読んでいるだけで疲弊した。

 

このドキュメンタリーは、服飾という関心のある範囲で、あまり踏み込まない控えめな作品としては正しい選択だった。とはいえ、このデザイナーについて深く知りたいような人が観て何か得るものがあるのかは謎。